昭和レトロ建築 其の1
僕が個人的に思う「昭和レトロ」について少し書いてみると、自分達が育った暮らしの中で既にレトロの部類に入っていた物は「昭和レトロ」ではないと思う。昭和の後半に生きた自分がその時リアルに体験し手に取りまたは眺めた風景こそ昭和レトロなのではないだろうか。
映画に例えればチャップリは昭和レトロではなくゴジラや寅さんこそ昭和レトロである。
この一種分かりにくく独りよがりな分類についてはおいおい語っていきたいと思います。
さて「昭和レトロ建築」と言えばやはりガスビルではないだろうか。
大阪は本町というオフィス街の中心に鎮座し長きに渡りビジネスマンやOL達を見守ってきている。その竣工が昭和8年というのも驚きで当時としては超モダンな建築物であったに違いない。
正式名称を「大阪瓦斯ビルヂイング」と言い現地では大阪ガスビル、ガスビルと呼ばれている。
ネーミング通り主な用途は大阪ガスのオフィスビルなのだが8階には本格的な欧風料理を出すレトロな食堂があり「ガスビル食堂」として親しまれております。
このビルの素晴らしさはなんと言っても角のアール部分の造作の素晴らしさに尽きるかもしれない。まさに美しく時代を超えた優れたデザインだと思います。壁面一面に貼られた細かいタイルの外壁。当時の人々の建築に対する情熱が伝わってきますね。
さて筆者が働き出したのは昭和の晩年でその当時もこのビルは大阪の目抜き通りにそのエレガントな姿を誇っておりました。所用の帰りに横目で眺めながら大阪経済の奥行きの深さ感じたもの。そしてアフター5の約束のあるミナミへと急ぐ若き日の僕が居る。
昭和レトロにはセンチメンタリズムがつきもの。
ほなまた
読んだってね😊
レトロ マン
はじめまして
ジョニンドのブログを始めたいと思います。
世はレトロブームらしいですね。
特に若い人達の間では「昭和」を感じさせるファッションやツールをお洒落だと思う方々が多く「昭和レトロ」が人気になっているようです。
彼ら彼女等の言葉を借りれば「昭和レトロ」は「エモい」。
さて「エモい」という言葉にピンとこなくて、ほぼ日常言語として使うことのない僕達の若い頃にもレトロブームはありました。
ざっくりと言うと35年程前ほどかな。
建造物やインテリアで言うならばいわゆるアンティークと呼ばれる物でアールデコやアールヌーボーといったクラシカルなデザインに人気が集まっておりました。
大阪を代表するレトロ建築「松竹座」です。
竣工は1923年(大正12年)で当時から歌劇団のホームシアターとしてまた洋画の封切り館として大阪の人々に慣れ親しんできたまさに大衆文化の発信地。その殿堂としての役割を令和となった現在でも「ジャニーズJr.」のライブシアターなどとして継続している貴重な建物です。内部こそ今風にリノベーションされていますが、建設当時のまま残されたルネッサンス洋式の荘厳な外観などまさに惚れ惚れとする建物です。
でものこの建物を「昭和レトロ」と呼ぶかというと、僕はちょっと違うと思うんですよね。
その昔、僕達昭和世代にとってすでにレトロだと感じた物はあえて昭和レトロではないのではないかなと思います。
当時、日常的に自分の周りの風景にあった建物やインテリアや日用品が時を経てレトロと呼ばれている。それが「昭和レトロ」なのではないかな。
懐古趣味をどこに置くかという感じ方は勿論人それぞれだけど「レトロマン」としてはあえてその辺りに拘っていきたいと思います。
では初回はここまで。
また次回も是非読んでおくんなせい。
素晴らしきかな「昭和レトロ」